Uniform Resource Name (URN) は、位置やアクセス方法に関係なくリソースを識別するためのユニークな識別子です。これは特定の名前空間内のリソースに対するシンプルで拡張可能なグローバルなユニーク識別子です。URNはUniform Resource Identifier (URI) スキームの一部であり、リソースを永続的かつ位置に依存しない方法で識別する手段として機能します。
URNは、書籍、特許、ウェブ文書といったリソースを永続的かつ位置に依存しない方法で識別するために使用されます。URL (Uniform Resource Locators) がリソースへのアクセス方法を指定するのに対し、URNはユニークな名前でリソースを識別するのみです。URNは名前空間識別子とユニークな名前で構成されます。
例えば、ある書籍のURNは「urn:isbn:0451450523」のようになります。「urn:isbn」が名前空間識別子であり、「0451450523」がユニークな名前です。これにより書籍はその位置やアクセス方法に関係なくユニークに識別されます。
URNは異なる命名機関によって管理され、競合を避けるためにグローバルにユニークでなければなりません。各名前空間にはURNを割り当て管理するための独自のルールと規則があります。これらの命名機関は、各URNが名前空間内でユニークで、対応するリソースに解決できるようにします。
URNにはさまざまな文脈での利点と応用があります。主な使用例をいくつか紹介します:
長期的なリソース識別: URNは永続的かつ位置に依存しない方法でリソースを識別します。これは、学術記事、デジタルアーカイブ、科学データのように長期間参照する必要があるリソースにとって特に有用です。
リソースの発見と検索: URNは他のメタデータと組み合わせることで、リソースの発見と検索を容易にします。リソースにURNを割り当てることで、検索エンジン、カタログ、その他の探索メカニズムを通じてリソースを見つけやすくなります。
デジタル著作権管理: URNはデジタルコンテンツの一意な識別子として使用できます。これにより、著作権保護やライセンスのコンテキストでアクセスと使用権を管理する権利管理システムが可能になります。
メタデータの相互運用性: URNは異なるシステムやメタデータ標準間の相互運用性を確保します。メタデータ要素にURNを割り当てることで、異なるドメインやシステム間でメタデータを交換しリンクしやすくなります。
引用と参照: URNは学術出版物でリソースを引用・参照するのに使用され、引用された資料の正確かつ永続的な識別を保証します。これにより科学研究の信頼性が向上し、実験や研究の再現性が促進されます。
URNはシンプルな識別子であるため、特定のセキュリティ脅威に関連付けられることはありません。しかし、URNを用いてリソースを識別する組織は、URNが参照するリソースを保護するために適切なアクセス制御とセキュリティ対策を講じるべきです。これには、認証メカニズムの実施、安全な保存、および適切なユーザーアクセス管理が含まれます。
また、URN自体は直接的にセキュリティの懸念に対処するために設計されたものではないことも重要です。URNは主に永続的な識別子として機能し、リソースの機密性、整合性、および可用性を確保するために、他のセキュリティメカニズム(例えば、安全な伝送プロトコルや暗号化)に依存します。